競馬ファンによって、賞金配分がどのような配分なのか気になる方も多いのではないでしょうか。
競馬は騎手や調教師、馬主などさまざまな人が関わっているため、配分が細かく決まっているのです。
また、単純に優勝賞金だけでなく、賞金の種類も豊富に用意されています。
今回の記事では、競馬の賞金の内訳、種類について解説していきます。
また、賞金が高い競馬のレースも紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。
賞金の内訳
競馬はレースごとに賞金が設けられていて、G1競走になると、1着の優勝資金が1億円を超える事もあります。
競馬の賞金は主に馬券の売上やスポンサーなどの協賛によって工面されています。
ここでは、競馬の賞金の内訳について解説します。
賞金の仕組み
競馬の賞金は、競馬ファンが購入する馬券の売上から捻出されています。
中央競馬における控除率は約25%とされており、馬券の売上から手数料として差し引かれる部分を示しています。
差し引かれた25%の金額は、日本中央競馬会(JRA)によってさまざまな運営コストの賄いに充てられます。
具体的には競馬場の運営費、国への税金支払い、さらにレースの賞金の支払いなどに使用されているのです。
残り75%の売上金は、馬券的中者への払戻金として使われます。
競馬ファンが馬券を購入し、的中させることで得られる賞金は、ほかの競馬ファンが支払った馬券代の一部から構成されていることになります。
賞金の配分一覧
競馬は競走馬がレースを走るために、馬を購入や直接生産するなどした馬主や調教師、騎手など幅広い方が携わっています。
レースで獲得した賞金は主に次の比率で各関係者に配分されています。
馬主:80%
調教師:10% 騎手:5% 厩務員:5% |
騎手には賞金以外にも収入がある?
競馬の騎手は、賞金以外の収入があります。
それも、多くの方が想像する以上に多様な収入源があるのです。
ちなみに、賞金の割合が全体の収入の中で占める割合は、意外と少ないかもしれません。
ここでは、騎手が賞金以外で得ている主な収入源について解説していきます。
- 騎乗手当
- 騎乗奨励金
- 進上金
- 厩舎からの給与
一つずつ見ていきましょう。
騎乗手当
騎手が受け取る主な収入源の一つが騎乗手当です。
騎乗手当はレースの結果にかかわらず、レースに騎乗することで得られる報酬のことを指します。
騎乗手当の金額は、騎乗するレースのクラスによって異なります。
平地競走の場合
- G1レース:63,000円
- その他の重賞:43,000円
- その他の競争:26,200円
障害競走の場合
- J・G1レース:144,200円
- その他の重賞:114,200円
- その他の競争:74,200円
騎乗手当はJRAから支払われ、騎乗したすべての騎手に一律で支給されるため、ベテラン騎手も新人騎手も同じ金額を受け取ることになります。
騎乗奨励金
騎乗手当とは別に、騎乗奨励金と呼ばれる報酬もあります。
全ての競走において、全ての騎手に一律で支給される手当で、一律16,500円が設定されています。
騎乗奨励金は、騎手がレースに出走するだけで得られるため、成果報酬とは異なり、より安定した収入源となっているのです。
例えば、新人騎手でも平地の一般競争に出走するだけで、1レースあたり42,500円(騎乗手当26,000円+騎乗奨励金16,500円)を受け取れます。
このように、騎乗手当や騎乗奨励金によって安定した収入を得ているのです。
進上金
進上金は、騎手がレースで成果を上げた際に受け取る成功報酬の一つです。
騎手が騎乗する競走馬が、レースで獲得した賞金の一部を騎手に支払うもので、平地競走では賞金の5%、障害競走では7%が騎手の取り分として設定されています。
例えば、大きなレースの1着賞金が2億5,000万円の場合、1着の騎手は1,250万円の賞金を受け取ることになります。
進上金は騎手にとって主要な収入源の一つであり、レースの規模が大きいほど取り分も増えていくのです。
厩舎からの給与
騎手は、所属する厩舎からも定期的な給与を受け取っています。
特に若手騎手や騎乗機会が限られる騎手にとって、厩舎からの給与は安定した収入になるのです。
また、騎乗回数が少ない時期は厩舎に所属し、経験を積んで実力がついてきたらフリー契約に移行するといったキャリアが一般的。
中央競馬と地方競馬では賞金規模に大きな違いがあり、それに応じて騎手の収入に差があります。
そのため、厩舎からの給与は騎手が安定したキャリアを築くために不可欠な要素と言えるでしょう。
賞金の種類
競馬の賞金は優勝賞金だけではありません。
次のさまざまな賞金が用意されています。
- 本賞
- 出走奨励金
- 特別出走手当
- 距離別出走奨励賞
- 生産牧場賞
- 繁殖牝馬所有者
- 内国産馬所有奨励賞
- 付加賞
※ここでは主に中央競馬の賞金を紹介しています。
本賞
本賞とは、競馬レースにおいて上位に入選した場合に支払われる賞金のことを指します。
具体的には、1着から5着までの馬に交付される賞金で、金額や比率はレースのランクやカテゴリーによって異なります。
例えば、G1レースのジャパンカップの場合、本賞は以下のようになっています。
- 1着馬:3億円(100%)
- 2着馬:1億2,000万円(40%)
- 3着馬:7,500万円(25%)
- 4着馬:4,500万円(15%)
- 5着馬:3,000万円(10%)
このように、本賞はレースによって金額が異なるだけでなく、同じレース内でも着順によって賞金の額が変わります。
また、2歳限定のリステッド競走や3歳馬限定のレースなど、カテゴリーに応じた本賞もあり、重賞レースでは同じグレードでもレースによって本賞の金額が異なる場合があります。
本賞のシステムがあるからこそ、競馬は高い競技性とともに、賞金を巡る緊張感のある競走が展開されていると言えるでしょう。
出走奨励金
いわゆる入着による賞金です。競馬の入賞は8着までですが、出走奨励金は出走頭数やレースに応じて8着まで支給されます。
着順が上になるほど分配比率が高くなります。レースごとに分配比率は異なります。
特別出走手当
簡単にたとえると参加賞で出走した全ての馬に支払われる賞金です。G1で約41万円、未勝利戦で約35万円でレースのグレードによる差額が少ないです。
競馬場によって上乗せ手当が出る場合もあります。
距離別出走奨励賞
芝コースで距離1,800m以上のレースに出走すると上乗せされる出走奨励金です。
金額や着順、レースのグレードによって金額は異なりますが、最大で約100万円が支払われます。
生産牧場賞
生産した生産牧場に支払われるお金で全額生産牧場に支払われます。
セリなどで馬の所有者が牧場以外に譲渡された場合でも同様に生産牧場の取り分になります。
G1競走優勝で100万円、一般競走優勝で32万円、特別競走以上は5着まで賞金が出ます。
繁殖牝馬所有者
母馬を所有する生産者か馬主に支払われる賞金です。
G1競走優勝で130万円、一般競走優勝は生産牧場賞と同様に32万円です。
繁殖牝馬は1年に1頭しか産めない事から、大きいレースの賞金単価が若干高めに設定されています。
内国産馬所有奨励賞
平地競走のレースで特定の条件をクリアした内国産馬が出走した場合に支払われます。
レースや着順によって賞金は変動し、最高130万円の賞金が出ます。
この他にも細かい賞金は多数あり、騎手の成績に応じた個別報奨や、年間タイトル獲得などで賞金は積み重なります。
中央競馬ではジャパンカップや日本ダービーなどのビッグレースでは優勝すると総額2億円以上の賞金を得られます。
付加賞
付加賞は、特別競走において上位入線した競走馬に対し交付される賞金のことです。
この制度は、特別競走に出走するための、事前手続きである特別登録に関連しています。
馬主は、競走馬を特別競走に登録する際に「特別登録料」を支払う必要があります。
特別登録料を、1着から3着までの馬に対して分配するのが付加賞なのです。
分配の割合は以下の通りです。
- 1着馬:70%
- 2着馬:20%
- 3着馬:10%
付加賞は、特別競走の魅力を高め、馬主に対するインセンティブとして機能しています。
賞金が高い競馬のレースとは?
競馬の世界において、賞金額は競走馬のオーナー、騎手、そしてファンにとって大きな関心事でしょう。
特にG1レースと呼ばれる最高峰の競走は、賞金の高さも桁違い。
競馬界の中で特に注目されるイベントです。
ここでは、中央競馬の中で賞金額が特に高いG1レースのトップ3をランキング形式で紹介します。
- 【1位】ジャパンカップ1着賞金
- 【2位】有馬記念1着賞金
- 【3位】東京優駿(日本ダービー)1着賞金
これらのレースは賞金の高さだけでなく、競馬の歴史や伝統を象徴するものとして、広く知られています。
【1位】ジャパンカップ1着賞金
ジャパンカップは、日本で最も賞金が高いG1レースです。
東京競馬場で開催されるジャパンカップは、国際招待競走としても知られ、世界中からトップクラスの馬が集まります。
1着賞金は5億円という驚異的な金額に。
ジャパンカップで勝利することは、単なる栄誉だけでなく、莫大なリターンをもたらすのです。
また、高額賞金であることから、激しい競争と国際的な注目度で毎回盛り上がりを見せています。
【2位】有馬記念1着賞金
有馬記念は、年末に中山競馬場で開催されるグランプリレースです。
有馬記念の1着賞金も、ジャパンカップと同様5億円に設定されています。
有馬記念は、競馬ファンによる投票で出走馬が決定される特別なレースで、独特な選出方法と高額賞金で毎年多くの注目を集めます。
また、競馬界の一年を締めくくるビッグイベントとして、特別な位置を占めていると言えます。
【3位】東京優駿(日本ダービー)1着賞金
東京優駿、通称「日本ダービー」は、3歳馬の頂点を決める伝統あるレースです。
東京競馬場で開催される東京優駿の1着賞金は3億円と設定されており、G1レースの中でも特に高額な賞金が魅力です。
また、東京優駿は皐月賞や菊花賞と並ぶ日本三冠の一つであり、毎年高い競技レベルとドラマを提供。
勝利することで、高額賞金を得られるほか、馬の価値を大きく高められるのです。
関連記事:東京優駿(日本ダービー)の歴史|競馬をより楽しむための知識
騎手は賞金以外にも収入源がある
いかがでしたでしょうか。
競馬の騎手は、賞金以外にもさまざまな手当、月給が用意されていると、お分かりいただけたと思います。
また、日本で開催される高額賞金レースも紹介しました。
競馬ファンが購入する馬券が、騎手の賞金として分配されているため、ファンなしで競馬は成り立ちません。
また、騎手がどれだけ稼いでいるのか、内訳を知る良い機会になったのではないでしょうか。